女性が格付けをしたがる背景

最近、マウンティングという言葉をよく耳するようになりました。ドラマなどで取り上げられたことで広く知られるようになった言葉で、元来は動物の順序確認行為のことを指していたのですが、これになぞらえて、言動などに自分が他者よりも有利であるという要素をしのばせて優位性を示す行動のことを言います。

「いいなぁ、明日休みなの?私なんか仕事ばっかりで忙しくって…」という言葉を聞いて、これがマウンティングかとピーンと来る女性もいるでしょう。しかし、逆に男性にはこれは普通の会話にしか見えず、特に大した嫌悪感も抱きません。では、なぜ捉え方にこのような性差が存在するのでしょうか。
男性は古来より人類が狩猟採集を行っていた時代から、競争社会の中にあることが普通でした。特に自分の優位性を誇示しなくとも、他者との関係性や社会における立場が明確になっている場合が多かったのです。これに対して女性の場合は、職場や学校といった一定のコミュニティを形成する社会に積極的に進出するようになったのは男性よりも遅く、またコミュニティ内での立場も明確になりづらいという特質があります。
また、一定の配慮ができる女性は他人の心象を気にするため直截な言葉や行動を避ける傾向もあり、これらがあいまって上手く場の空気を取り繕いながらも、コミュニティ内における自分の格付けを行ってその立場を確保しようとするのです。

最近では女性管理職の人数が増えてきたことにより、この女性特有の行動であったマウンティングが社会全体の問題として懸念されてきています。